
プラダを着た悪魔
ジャーナリスト志望の主人公が悪魔のような最悪の上司の下で直向きに頑張る姿を描いた物語。そんな主人公の姿が同世代の女性から受け、ベストセラー小説の一つとなった。現在までにこの小説は27ヶ国語に翻訳されている(日本語版は早川書房より発行。訳は佐竹史子)。
著者のワイズバーガー自身も主人公と同様、「ヴォーグ」で編集長アシスタントをしていた経歴を持つ。この作品は彼女の実体験が基となっているとされ、同誌のカリスマ編集長アナ・ウィンターが作中に登場する編集長のモデルであるという噂がある(実際に、ファッション界でのアナの君臨ぶりは、鬼編集長として噂になるほどである)。だが、著者はその噂を否定している。また、編集長の移動手段は運転手付きリムジン、アシスタント数名を従え、お洒落な個室があるのは当たり前など、日本のファッション雑誌の編集長では考えられないような待遇も描かれている。
映画版は編集長ミランダ役にアカデミー賞女優のメリル・ストリープ、主人公アンドレア役には「プリティ・プリンセス」シリーズのアン・ハサウェイが配役され、2006年6月30日より全米で拡大公開された。原作のテイストをふまえた愉快な作品に仕上がっている。興行収入は1億2000万ドルを越え、ストリープとハサウェイにとっては自身最高のヒット作となっている。
映画版の大ヒットを受け、20世紀FOXのテレビスタジオが原作のテレビシリーズ化権を獲得。30分のテレビシリーズとして製作し、もし実現すれば2007年より放送される予定であるという。