
シンドラーのリスト
第二次世界大戦時のドイツによるユダヤ人の虐殺(ホロコースト)の中、企業家でナチス党員でもあるオスカー・シンドラーが1,100人以上ものユダヤ人の命を救った実話を描く。ホロコーストを題材にして描いた作品の代表格である。スティーヴン・スピルバーグ自身もユダヤ系アメリカ人である。
一部カラーだが、基本的にモノクロ作品である。これはスティーヴン・スピルバーグ監督の「戦争を記録したフィルムはモノクロだからその方が説得力があるだろう」という考えによるものだが、その判断は正しかったと評価されている。ただし、パートカラーが採用され、赤い服の女の子(シンドラーに心理的影響を与える)、蝋燭の赤い炎などが登場する。
スピルバーグは1982年に原作の映画化権を手に入れ、その後10年近く構想を練り企画を温めた後、この映画の制作に着手したという。
アカデミー賞では12部門にノミネート、そのうち作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞の7部門で受賞した。スティーヴン・スピルバーグは、それまでも「優れた娯楽映画をつくる映画監督」として映画界からも大衆からも高く評価されていたが、それまで手掛けた『太陽の帝国』や『カラーパープル』など深刻なテーマの作品は評価されず、本作において念願のアカデミー最優秀作品賞・監督賞受賞を果たした。
1998年にAFIが選出したアメリカ映画ベスト100では9位に、2006年に選出した感動の映画ベスト100では3位に、2007年に選出したアメリカ映画ベスト100(10周年エディション)では8位にランクインしている。