
カリフォルニア
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
殺人鬼の心理に興味を抱くルポルタージュ作家のブライアンは、恋人の写真家キャリーと共に連続殺人犯の犯行現場を取材しながら憧れの地カリフォルニア州まで旅する計画を思いつく。彼らは予算の都合で同乗者を募り、旅費を折半することにしたのだが、やって来たのはどう見ても旅費を払えそうにない貧相な身なりのカップル、アーリーとアデールだった。育ちや価値観のあまりにも違う二組。キャリーはアーリーの下品で粗暴な振る舞いに嫌悪感を隠せない。だがブライアンはアーリーの性格に理解を示し、教養はないが能天気で明るいアデールも場の雰囲気を和ませ、どうにか旅はうまくいくと思われた。しかし、旅を続けるうちに次第にアーリーの本性が明らかになってゆく。彼こそがブライアンがその心理を知りたがっていたサイコキラーそのものであり、恋人のアデールも過去に心と体に負った傷が原因で、アーリーだけが自分を守ってくれる存在と信じ、彼に依存し服従していたのだった。