
アイアンマン
マーベル・コミックから生まれた人気フランチャイズ「アイアンマン」の実写映画化作品。1990年にユニバーサル映画から映画化の話が持ち上がって以来、20世紀フォックスやニュー・ライン・シネマなど各社で壮絶な権利争奪戦が繰り広げられたが、最終的にマーベルの映画製作部門であるマーベル・スタジオズが権利を買い戻し、自社初の独立製作(インディペンデント)作品として2006年頃から製作が進められた。
監督には、同じくマーベル・コミックが原作の映画『デアデビル』に俳優として出演した縁からジョン・ファヴローが着任。脚本の草稿も完成し、本格的なプリプロが開始された。並行してキャスティングも進められ、おおよその役が決まっていったが、主人公の「トニー・スターク」を演じる俳優探しに関しては難航した。製作サイドが数多くの若い男優をリストアップする中、ファヴロー監督は当時43歳のロバート・ダウニー・Jrを推薦したが「老けすぎている」との理由で却下。しかし、自ら原作コミックのファンを公言するダウニー・Jrはスクリーンテストに見事な役作りで臨み、製作サイドを納得させタイトルロールの座を勝ち取ることになる(選考の理由として、ファヴロー監督は「ダウニー・Jr自身の波瀾万丈のキャリアが、トニーという役に奥行きを与えた」と語っている)。
結果、様々な紆余曲折を経ながらも完成した本作は、本国アメリカをはじめ世界各国でヒットを記録。製作サイドの不安要素だったダウニー・Jr=「トニー・スターク」も原作ファンおよび批評家から絶賛され、作品のクオリティと共に高評価で歓迎されることとなった。
日本では公開が9月と全米公開から四ヶ月以上も後の公開となった。日本でのキャッチコピーは「装着せよ。強き自分」である。