
ジャンヌ・ダルク
フランスの英雄として扱われてきたジャンヌ・ダルクを一人の少女という視点から描いた映画。全体を通して宗教と神の存在を絡めながら進行するが、同時にジャンヌは神の使いではないと否定的に描いている。また、作中にたびたび登場する大規模な攻城シーンは、迫力、描写ともに逸品で、娯楽大作としても評価が高い。一貫して当時の状況をリアルに描いており、ジャンヌの目の前で彼女の姉の服を引き裂いたあと刺し殺して死体を強姦したり、ジャンヌが処女かどうかを確かめるために性器の中に手をいれるのをギリギリの場所から撮影したり、宗教裁判でジャンヌが捕らわれている際に、男達に囲まれて殴る蹴るの暴行を受け、飯を顔面に投げつけられるなど過激な描写が多々ある。これは従来のお色気的なミラ・ジョボヴィッチは一切無く、映像面では全て徹底したリアリズムで描かれている。しかし、一部の評論家からは、フランスが舞台なので英語ではなくフランス語で制作したほうがもっとよかったと言われている。