テルマ&ルイーズ
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
舞台はアーカンソー州の小さな町。レストランでウエイトレスとして働く独身女性のルイーズと専業主婦のテルマは親友同士であった。ルイーズは退屈な毎日に、そしてテルマは自分を家政婦同然に扱う夫のダリルから逃れるためにドライブへと繰り出した。夕食のために立ち寄ったバーで、テルマは日頃の鬱憤を晴らすかのように酒を飲み、悪酔いしてしまう。そこに、バーの店員であるハーランがテルマを口説きに来た。彼女はハーランと共に店の外へと消えた。なかなか戻ってこないテルマを心配したルイーズが店の外へ出るとなんとテルマはハーランに強姦されかかっていた。ルイーズはテルマが自宅から持ち出した拳銃をハーランに突き付けた。ハーランはテルマを開放するも、興奮が収まらずルイーズに対し侮辱的な言葉を浴びせた。憤慨したルイーズは拳銃の引き金を引きハーランを射殺してしまった。この瞬間から、二人にとって思い出作りとなるはずだった旅行は一転して逃避行と化した。
逃亡を試みる二人であったが資金が豊富にあるわけでもなかったので困惑したルイーズは仕方なく、長らく音信不通であった恋人のジミーに援助を求めた。恋人からの急な要請にジミーは疑念を抱くが、ルイーズは援助を求めた理由を答えることができなかった。一方テルマは、夫のダリルに連絡するも、何の前触れもなく家を空けた妻に対してダリルの怒りは収まらなかった。警察の捜査が開始していると感じたルイーズはメキシコへの逃亡を提案。テルマも同意する。道中、大学へ向かう途中であると言うヒッチハイカーのJ.D.と出会い彼を車に乗せた。夫に対する不満が募っていたテルマはすぐさまJ.D.と意気投合。途中で彼と別れたものの、J.D.がテルマの部屋を再び訪れ、二人は一夜を共に過ごす。その中でJ.D.は、嘗て強盗を繰り返していたと告白。その方法に興味を抱いたテルマは、更にJ.D.と親密になろうと試みるも、ルイーズがジミーから受け取った旅の資金をJ.D.にまんまと持ち逃げされてしまう。ルイーズは失望し、ただ泣き喚いていたが、その最中テルマは前日J.D.に教わった方法でスーパーマーケットを襲撃。逃走資金を得るもその一部始終は店の防犯カメラに収められており、バーでの殺人事件の容疑者としてテルマとルイーズを洗い出して捜査を進めていたハル警部は二人に対する追跡を本格化させた。
徐々に逃走範囲を狭められていく二人であったが、尋問を試みる警官や野蛮なトラック運転手を排除し頑なに逃走を続けた。パトカーの追跡を振り切った末に二人が辿り着いたのは先の見えない峡谷であった。そして二人は遂に警官隊に取り囲まれた。ハル警部は二人に投降を促した。しかし、逃走という名の旅を通じて恐れを無くし、固い絆で結ばれていた。ルイーズは意を決してアクセルを踏み、二人は車ごと谷底へとダイブしていったのであった。



